忘れ物を預かる経営リスク

思わぬところに、サービス業のリスクがあります。

お客様の忘れ物を預かる、という行為です。

この忘れ物が、おさいふだったとしたら・・・、または、かばんの中身に“重要な書類”が入っていたら・・・。

まずは、おさいふの場合からお話しします。

おさいふは、お金だけでなく、個人情報の宝庫です。おさいふの中身を確認すれば、落とし主のお名前だけでなく、連絡先の住所やもしかしたら電話番号などもわかるかもしれません。

おさいふを落として困っているだろうから、連絡ととってみることは、もちろん、とても親切に思えます。

こんな時でも、おさいふの中身を確認するときは、一人ではしないことが大切です。できれば二人以上で確認したいものです。

理由は、相手の勘違いがあるかもしれない!ということです。

おさいふを落とす、おさいふを置き忘れるぐらいですから、もしかするとお客様はお酒を飲まれているかもしれませんね。そうなると、おさいふの中身までしっかり覚えていらっしゃらない可能性があります。

“おさいふの中身が減っている”という苦情の引き金になるかもしれません。

おさいふやかばんを拾った場合は、警察に預けることも一つのリスク回避になります。

・・・あぁ、世知辛い(せちがない)世の中になったものですね。確かにそうではありますが、これも社会の変化でしょう。

昔のようにお隣さんのプライバシーなどなかった時代では、社会のコミュニケーションが良好だったという、考えの方もいらっしゃいますが、今は多様化の世の中です。むかしは、みんな平等だったからかもしれませんね。

環境の変化に適応する能力は、わたしたち人間に与えられた能力の一つでもありますので、ここは無理して逆らわなくてもよいのではないでしょうか。

かばんの中身に“重要な書類”や“大切な書類”が含まれていたとします。

サービス業では、閉店後、休憩後に清掃することが多いと思います。それもかなり大がかりな掃除になりますよね。

掃除中に廃油をこぼしたり、調味料をうっかりこぼしたりして、“書類が読めなくなった”という場合、うっかりでも損害賠償を請求されるかもしれません。

もし、損害賠償の請求がきたら、自分だけで解決しようとはしないでください。世の中には、法律の専門家もいますし、無料で相談に答えてもらえる窓口もたくさんあります。

1件だけでなく、数件からアドバイスをいただいて行動しましょう。

忘れ物が衣類などの場合、“洗濯された”という経験を持つお客様がいらっしゃいましたが、ほつれや縮み、色落ち、色移りなどがおこるといけません。

お客様からお預かりした忘れ物は、もちろん大切に保管することは基本中のきほんとなります。

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